商品・サービスのブランディングを始めよう!ブランディング始める前の下準備!

ブランディングを行いたいけど何から始める?

 こんにちは。株式会社エンデルの小津です。今回は前回に引き続きブランディングをテーマに何から始めていけばいいのかといったことを簡単にまとめていきたいと思います。

 まず、皆さんに伝えさせていただきたいのですが、ブランディングとは消費者(以下ユーザー)に購入を選択してもらうための戦略の一つです。うまくブランディング戦略を活用して、目的達成の一助を担えたらと思います。

ブランドはユーザーのものである

 ユーザーはなぜブランドで購入する製品・サービスを選ぶのでしょうか。それはブランドに対するポジティブなイメージを持っているからです。

 例えば環境に良い製品だけれども、機能面、価格面では他社製品に負けている製品があったとします。今の潮流としては環境に配慮というのは重要なキーワードですから多少金額が高くても、機能面で多少劣っていても環境に配慮する企業が作った環境に配慮した製品であれば、環境問題に関心のあるユーザーは手に取ってくれる可能性が高くなります。

 つまり、購入してほしいユーザーがどのようなことに関心があり、価値を感じているのかということを把握する必要があるのです。ですのでユーザー目線からブランディングが行われるということは忘れてはいけません。

ブランディングを始める ステップ1「会社にとってのブランディングとは何かを考える」

 そもそも論になってしまいますが、まず会社にとってのブランディングとは何かということを考えることが最初です。どういった目標に対してブランディングを行うのかということを最初に議論をしなければ話が前に進みません。

 例えば売上の向上が目標なのか、会社としての社会的責任を目標にするのかでも内容は大きく変わってくるはずです。採用効率向上を目指すのであれば社員に対してのブランディングを行わなければなりませんし、売り上げ向上であればターゲットユーザーの選定から始まり、そのユーザーに第一の候補として選んでもらえるためのブランドとは何なのかを考えなければなりません。

 ブランディングによる目標は何なのか、誰に対してブランディングを行うのか、何を(商品やサービスなのかそれとも会社自体なのか)ブランディングするのかといった基本的な要素を考えるということがとても重要です。

ブランディングを始める ステップ2「外部の環境を捉える」

 ブランディングを行うにあたって外部の環境を考えなければなりません。なぜならユーザーは外部の環境に身を置いているからです。

 その方法でPEST分析と3C分析というものがあります。

PEST分析とは

 PEST分析とは

  • P(Politics)政治的要因→規制や法改正などといった市場を変化させる要因
  • E(Economy)経済的要因→景気や経済成長など価値連鎖に影響を与える要因
  • S(Sciety)社会的要因→流行や人口の増減など需要構造に影響を与える要因
  • T(Technology)技術的要因→ITをはじめとする競争ステージに影響を与える要因

(参照:ビジネス+IT「PEST分析とは何か?コトラー教授が考案、海外進出を行う際にも使えるフレームワーク」)

これらの要因から外部環境を分析する手法です。この分析の目的は意思決定の際の前提を作るということです。

 例えばイタリアン料理店について考えてみようと思います。

 ざっくりとまとめたものになりますが、4つのカテゴリーにおいて機会、脅威、も含めてあげてみました。それらで出てきた内容についての解決策も考えていきます。

 今回でいえば対応するデリバリーサービスを広げたり、おうちで調理をする必要のあるプチ贅沢を動画併せて販売してみたりといったことです。

 この機会を議論するにあたっては時間軸をそろえることが重要です。今私が述べた脅威を機会にする方法は短期的なものに当たりますが、長期的に考えるのであればデリバリーのみに特化することで人件費を減らしより効率的な運営を行うといったことも視野に入れられます。

 会社として時代の潮流に乗った分析とその解決策を考えておかなければ社内で様々な議題が上ったときの判断ができなくなってしまいます。そのため外部環境を捉え、どのように機会とするかをあらかじめ考えておく必要があるのです。

3C分析とは

  • Customer(顧客)→市場・顧客のニーズ
  • Competitor(競合)→競合の強み・弱み
  • Company(会社)→自社の強み・弱み

の頭文字3つのCから3C分析といいます。

この分析の目的は成功要因を発見することにあります。

市場・顧客のニーズを把握する

  1. 市場規模を把握する。
  2. 市場に存在するニーズを把握する。​
  3. 市場のプロダクトライフサイクルを把握し、内訳を把握する。

ということを行います。

 まず市場はどれくらいの規模なのかを把握し、そこではどんなニーズをユーザーは持っているのかを把握します。次に今市場はどんな内訳があるのかを把握します。例えば衣類産業と一言に言っても中古市場や新品もありますし、ネットだけでの出店などもあったりと様々な市場が重なっているのでどんな市場が隠れていて、どんなニーズが存在するかといった内訳を把握することで大きなくくりでは衰退しているが小さなくくりでは成長しているということもあったりします。

競合の強み・弱みを把握する

  1. 競合を把握する
  2. 競争の構図を分析する
  3. 競合ブランドの戦略とリソースを把握する
1.競合を把握する

 市場を把握できたら競合が明らかになります。そして競合は2つの視点から見ていくとより明確になります。①ユーザーが直接比較するブランドや企業、②ユーザーにとって提供価値が同じ商品・サービスです。

 ①は同じ形の商品・サービスでユーザーが選択する際に比較検討する商品・サービスを提供している会社を指します。②は例えば塾を運営していたとして①がその他の塾を指すのに対し、②は参考書や通信教育等を指します。

2.競争の構図を分析する

 競合ブランドの中には

  • リーダーブランド(市場をけん引するブランド)
  • チャレンジャーブランド(リーダーに対して差別化でチャレンジしていくブランド)
  • ニッチブランド(専門性を活かして強みを生かすブランド)
  • フォロワーブランド(リーダー、チャレンジャーの模倣をするブランド)

があります。

3.競合ブランドの戦略とリソースを分析する

 どのような価値を提供しニーズを満たそうとしているのかを把握し、その意図を把握しましょう。そしてどのように具現化しているのかを把握します。

 美容院で考えてみます。一番わかりやすいのが1000円カットです。

 忙しく、身だしなみをこぎれいにしているビジネスライクな男性をターゲットにしており、髪をカットしたいという目的のみのユーザーに対して利便性やカットの時間、カットをする手軽さ、金額の安さという価値も提供しています。

 接客は必要最低限ですが、その分サービス提供に時間はかかりません。メニューが決まっているので回転率も高いです。回転率も高いのでスタッフも最小限で済みます。

 このように競合ブランドの戦略やリソースを分析していきます。

 

自社の強み・弱みを把握する

 まず自社はどのブランドに当てはまるかを考えます。皆さんは4つの中のどれに当てはまるでしょうか。リーダーブランド、チャレンジャーブランド、ニッチブランド、フォロワーブランドのいずれかのブランドに当てはまるはずです。

 次にニーズ、提供価値、どの市場を狙い市場での立ち位置はどこなのか、どのような資源があるのかといった要素を分析します。

 そしてできるだけ一貫性を持つ強みを見つけることが重要となります。強みを見つける際に参考になるのがVARIOというフレームワークです。

参照 VRIO分析を解剖!フレームワークの概要から活用事例までを網羅

 これらの要素に一貫性があれば強みになります。

まとめ

 今回はブランディングの下準備ということで記事を書かせていただきました。次回はここからYoutubeを使ってどのようにブランディングにつなげていくのかという内容の記事になります。

 今回の内容はブランディングを行う前の非常に大事な作業です。膨大な情報と格闘しなければなりませんがその文自社の立ち位置も見えるので、その後のブランディングはそれに沿ったものとなります。

 非常に重要で今後にも役に立つ内容なので是非参考にしてみていただければ幸いです。

 弊社の方ではYoutube運用に関してお手伝いさせていただいておりますので是非ご興味ございましたら下記お問い合わせよりご連絡いただけますと幸いです。

 また、Youtube運用に役に立つ記事を毎週火曜日・金曜日16時に更新しておりますので是非チェックいただければと思います。→ニュース

参考図書:ブランディングの教科書 著 羽田 康祐